スマホの画面を開く。いつもの癖でSNSアプリを立ち上げて、タイムラインをスクロールしていく。そこに、見慣れた名前が表示される。元彼のアカウント。別れてから一週間、一ヶ月、もしかしたらもっと経っているのに、まだフォローしたまま。投稿を見るたびに胸がざわつく。でも、フォローを外すボタンに指をかけても、なぜか押せない。「外したら、もう本当に終わりなんだ」って、認めることになるような気がして。
この画面の前で、何分もためらった経験、ありませんか。
別れた後のSNSって、本当に厄介ですよね。昔なら、別れたら連絡先を消して、思い出の品を処分して、それで一区切りつけられた。でも今は、SNSという透明な窓から、元恋人の日常が見えてしまう。見たくないのに見えてしまう。気になるから見てしまう。そして見るたびに傷つく。この繰り返し。
夜、ベッドに入ってからも、ついつい元彼のプロフィールを開いてしまう。「最終ログイン時刻」を確認して、「今、何してるんだろう」って考えてしまう。ストーリーズを見て、誰かと出かけている様子があったら、心臓がバクバクする。「もしかして、もう新しい人ができたの?」そんな不安で、眠れなくなってしまう。
朝起きて最初にすることが、元彼のSNSチェック。友達との会話中も、頭の片隅で元彼の最新投稿が気になってる。こんな風に、SNSに縛られている自分が嫌になる。「いい加減、前を向かなきゃ」と思うのに、なかなか踏ん切りがつかない。この苦しみ、痛いほどわかります。
実は、別れた後のSNSフォローについて、世の中の人たちはどう考えているのでしょうか。ある調査によると、約55%から74%の人が、別れた後に元恋人のフォローを外すと答えています。つまり、半数以上の人が「外す」という選択をしているんです。でも同時に、4人に1人から半数近くの人は、フォローを続けているということでもあります。
どちらが正解で、どちらが間違いということはありません。でも、それぞれの選択の裏には、色んな思いや理由が隠れています。
まず、フォローを外す派の人たちの気持ちを見てみましょう。
「未練を断ち切りたい」これが一番大きな理由です。別れた直後って、相手のことが頭から離れませんよね。どんなに「忘れよう」と思っても、SNSを開くたびに相手の存在を意識してしまう。元気そうな投稿を見れば「私と別れてもう平気なんだ」と落ち込み、楽しそうな写真を見れば「私といた時より楽しそう」と傷つく。
そんな状態から抜け出すために、あえて物理的な距離を作る。見えないようにする。それが「フォローを外す」という行為なんです。見なければ、少なくとも新しい傷は増えません。時間が経てば、心も少しずつ癒えていきます。
「相手の新しい恋愛を見たくない」という理由も切実です。もしも元彼が誰かと親しくしている写真を投稿したら。デートしているような様子が見えたら。想像するだけで胸が締め付けられますよね。まだ自分の中で整理がついていないのに、相手がもう次に進んでいる姿を見せつけられるなんて、耐えられない。だから、見る前にフォローを外しておく。自分を守るための選択です。
そして「新たなスタートを切りたい」という前向きな理由もあります。過去は過去。これからは新しい自分として生きていきたい。そのためには、過去に引きずられないように、きっぱりと区切りをつける必要がある。フォローを外すことが、そのための儀式のようなものになるんです。「これで本当に終わり。次に進もう」と、自分に言い聞かせるための行動。
一方で、フォローを続ける派の人たちにも、それぞれの理由があります。
「元恋人の近況が気になる」という、素直な気持ち。急に連絡を取らなくなって、急にその人の生活が見えなくなるって、不思議な感覚ですよね。つい最近まで毎日話していた相手のことが、突然わからなくなる。「ちゃんと元気にしているかな」「仕事はうまくいってるかな」そんな風に心配してしまうのは、悪いことじゃありません。それは、その人のことを本当に大切に思っていた証拠です。
「友達としての関係を維持したい」という考え方もあります。恋人としてはうまくいかなかったけど、人として好きだった部分はある。だから、恋愛感情は手放したとしても、一人の友人として繋がっていたい。そう思える関係って、実はとても成熟した関係性なのかもしれません。
面白いことに、「フォローを外すと、逆に相手を気にしているように見えるのが嫌」という理由で続ける人もいます。心理戦のような話ですが、フォローを外すという行動自体が、「まだ相手を意識している」「動揺している」というメッセージになってしまうと感じるんですね。だから、むしろ何もしない。クールに振る舞う。そういう戦略です。
それから、「特に気まずさを感じない」「相手の行動に興味がない」という、ある意味で最も健全な理由もあります。もう完全に気持ちの整理がついていて、元恋人の投稿を見ても何も感じない。だから、わざわざフォローを外す必要もない。こういう状態になれたら、本当に前に進めている証拠ですね。
ここで少し面白い話をさせてください。実はSNSが普及する前、2000年代初頭には「mixi」という日本のSNSがありました。当時は「マイミク」という友達リストがあって、元恋人をマイミクから外すかどうかで、今と同じように悩む人がたくさんいたんです。でも当時のSNSは今ほど投稿頻度が高くなくて、リアルタイムの位置情報もストーリーズもなかった。今は、相手の日常が刻一刻と更新される時代。昔より遥かに「別れた後の距離感」を保つのが難しくなっているんです。つまり、あなたが今悩んでいるのは、現代特有の、誰もが通る道なんです。
さて、ここからが一番気になるところ。元彼の心理について考えてみましょう。元彼があなたのSNSをフォローし続けている場合、彼の頭の中では何が起きているのでしょうか。
一つ目の可能性は、「未練がある」ということ。別れはしたけれど、心の奥底では「もしかしたらまだ可能性があるかも」と思っているかもしれません。あなたの投稿を見て、近況を知りたい。どんな生活を送っているのか、誰と過ごしているのか、気になって仕方ない。もしも元彼があなたの投稿に「いいね」を押してきたり、コメントしてきたりするなら、それは間違いなく「まだ気にしている」というサインです。
この場合、復縁の可能性もゼロではありません。ただし、注意が必要です。「未練がある」からといって、必ずしも「やり直したい」とは限らないからです。ただ寂しくて、馴染みのある存在を手放したくないだけかもしれません。別れた理由を忘れて、都合よく「いい思い出」だけを思い出しているだけかもしれません。
あなた自身はどうですか。もしも元彼に未練があって、復縁したいと思っているなら、彼がフォローを続けていることは希望の光かもしれません。でも、もう前に進みたいと思っているなら、彼のその態度が足かせになっているかもしれません。
二つ目の可能性は、「友達としての関係を維持したい」という純粋な気持ち。別れたからといって、相手を完全に人生から消去する必要はない、と考えるタイプの人です。「恋人としてはダメだったけど、良い友達にはなれる」と、建設的に考えられる大人な対応ですね。
こういう関係を築けるなら、それはお互いにとって素敵なことかもしれません。ただし、これが成立するのは、お互いに本当に気持ちの整理がついている場合だけです。どちらか一方でも未練があったり、まだ傷が癒えていなかったりすると、「友達」という名目で近くにいることが、かえって辛くなってしまいます。
三つ目の可能性は、もしも元彼があなたのフォローを「外した」場合の話ですが、「新しい恋人への配慮」や「未練がないことを示したい」という心理が働いていることがあります。
もしも彼に新しい恋人ができたら、その人は元カノのSNSをフォローしている彼を見て、どう思うでしょうか。「まだ未練があるのかな」「私のこと、本気で好きじゃないのかな」と不安になるかもしれません。だから、新しい関係を大切にするために、過去を清算する。フォローを外すという行動は、彼なりの誠実さの表れなのかもしれません。
あるいは、あなたに対して「もう完全に終わったんだよ」というメッセージを送りたいのかもしれません。未練を持たせたくない、期待させたくない。だから、きっぱりとフォローを外す。これも一つの優しさの形かもしれません。
でも、フォローを外されると、やっぱり寂しいですよね。「私のこと、もうどうでもいいんだ」って、突き放された気持ちになる。頭では「別れたんだから当然」とわかっていても、心が追いつかない。
ある女性の体験談を紹介させてください。彼女は別れた後も元彼のSNSをフォローし続けていました。特に未練があったわけではなく、ただなんとなく、フォローを外すタイミングを逃していただけ。でも、ある日、元彼が新しい恋人らしき女性と楽しそうにしている写真を投稿したんです。
その瞬間、彼女の心は激しくざわつきました。「もう私のことなんて忘れて、幸せそうにしてる」。別れを受け入れていたはずなのに、涙が止まらなくなってしまった。その夜、彼女は友達に電話して、泣きながら話を聞いてもらいました。
友達は優しくこう言ったそうです。「まだ見なくていいんじゃない? 無理に強がらなくていいよ。辛いなら、フォロー外してもいいんだよ」。
その言葉に救われて、彼女は元彼のフォローを外しました。最初は「負けた気がする」「逃げてる気がする」と思ったそうです。でも、数日経つと、心が少し軽くなっていることに気づきました。元彼の投稿を気にする必要がなくなって、自分の時間を自分のために使えるようになった。友達との時間を心から楽しめるようになった。
そして半年後、彼女は新しい恋を始めました。あの時フォローを外していなかったら、まだ元彼に囚われていたかもしれない、と彼女は語っています。
この体験談が教えてくれるのは、「自分の気持ちを大切にする」ということです。フォローを外すべきか、続けるべきか。その答えは、他の誰かが決めることじゃありません。あなた自身の心が決めることです。
もしもあなたが元彼の投稿を見て辛いなら、フォローを外していい。それは逃げじゃありません。自分を守るための、勇気ある選択です。
もしもあなたが特に何も感じないなら、フォローを続けてもいい。それはあなたが前に進めている証拠です。
もしもあなたがまだ迷っているなら、ミュート機能を使うという手もあります。フォローは外さないけれど、相手の投稿がタイムラインに表示されないようにする。これなら、相手に気づかれることもありませんし、あなた自身も余計な情報に振り回されることがありません。
大切なのは、「世間的にどうするのが正しいか」ではなく、「あなたの心が何を求めているか」です。
別れた直後は、まだ心が傷ついています。そんな時に無理をする必要はありません。元彼のSNSを見ることが辛いなら、見なくていい。フォローを外すことに罪悪感を感じる必要もありません。
「でも、フォローを外したら、相手はどう思うかな」って気にしてしまう気持ち、わかります。「私がまだ引きずってるって思われたくない」「未練があるって思われたくない」。そんな風に、別れた後も相手の評価を気にしてしまう。
でも、ちょっと考えてみてください。その評価、本当に気にする必要がありますか。別れた相手があなたのことをどう思うかよりも、今のあなた自身がどう感じるかの方が、ずっと大切じゃないですか。
元彼がどう思おうと、それはもう、あなたがコントロールできることじゃありません。あなたができるのは、自分の心を大切にすることだけです。
そして、フォローを外すという選択をしたとしても、それは「終わり」を意味するわけではありません。それは「新しい始まり」の第一歩なんです。
別れというのは、確かに悲しい出来事です。でも同時に、新しい可能性の扉が開く瞬間でもあります。元彼に使っていた時間とエネルギーを、これからは自分のために使えるんです。
新しい趣味を始めてみる。ずっと会えていなかった友達と連絡を取る。自分磨きに時間を使う。一人の時間を楽しむ。そんな風に、自分の人生を豊かにしていく。その過程で、元彼のことは少しずつ過去になっていきます。
SNSのフォローを外すかどうか悩んでいるあなたへ。答えは、あなたの心の中にあります。辛いなら外していい。平気なら続けていい。どちらを選んでも、あなたは間違っていません。
ただ一つだけ覚えていてほしいのは、あなたには幸せになる権利があるということ。過去に縛られたまま生きる必要はないということ。自分を守ること、自分を大切にすることは、決して悪いことじゃないということ。
元彼のSNSを見て心がざわつくなら、それは「まだ手放す時じゃない」というサインかもしれません。でも、そのざわつきが辛すぎるなら、それは「そろそろ距離を置いた方がいい」というサインかもしれません。
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