「せっかく選んだのに、なんでそんな反応なの」
彼氏の誕生日に、何日もかけて選んだネクタイ。デパートの紳士服売り場で、店員さんに相談しながら、彼に似合いそうな色を真剣に探した。ラッピングも特別なものにしてもらって、ドキドキしながら渡したのに。
彼の「ありがとう」という声には、どこか温度がなかった。
そんな経験をしたことがある方、実は結構いらっしゃるのではないでしょうか。自分の気持ちが伝わらなかったような、空振りしたような、あの何とも言えない切なさ。私もその気持ち、よくわかります。
でも、安心してください。それはあなたの愛情が足りなかったわけでも、選び方が悪かったわけでもないんです。ただ、ちょっとした「ボタンの掛け違い」があっただけ。今日はそんなお話をしながら、次のプレゼント選びがもっと楽しくなるヒントをお伝えできたらと思います。
まず、なぜネクタイのプレゼントに対して微妙な反応をする男性が多いのか、その背景から考えてみましょう。
ある女性の話を聞いたことがあります。彼女は付き合って一年記念日に、奮発してイタリアの高級ブランドのネクタイを彼にプレゼントしました。深いボルドー色で、シルクの光沢が美しい、誰が見ても素敵なネクタイでした。
渡す瞬間、彼女の心臓はバクバクしていました。「きっと喜んでくれる」「毎日これを締めて、私のことを思い出してくれるかな」。そんな期待で胸がいっぱいだったそうです。
でも、包みを開けた彼の表情は、期待していたものとは違いました。「おお、ありがとう」と言いながら、どこか困ったような、申し訳なさそうな顔をしていたのです。
彼女は思わず聞いてしまいました。「どうしたの、気に入らなかった?」
すると彼は、少し言いづらそうにこう答えたそうです。「いや、嬉しいよ。でも正直に言うと、俺、最近リモートワークばっかりで、ネクタイ締める機会がほとんどないんだよね」
そうなんです。コロナ禍を経て、働き方が大きく変わった今、ネクタイを締める機会が激減している男性は本当に多いのです。週に一度も締めないという人も珍しくありません。
彼女は後から振り返って言っていました。「彼の仕事のこと、ちゃんと聞いていたつもりだったけど、そこまで考えが及んでいなかった。彼のライフスタイルじゃなくて、『彼氏へのプレゼントといえばネクタイ』という自分の中のイメージで選んでしまっていたんだなって」
この話を聞いて、ハッとした方もいらっしゃるのではないでしょうか。プレゼント選びって、つい「何を贈るか」に意識が向きがちですが、本当に大切なのは「相手がどう使うか」なんですよね。
余談ですが、ネクタイには「あなたに首ったけ」という意味が込められているという話、聞いたことありますか。英語の「tie」には「結ぶ、つなぐ」という意味があって、そこから「あなたと結ばれたい」という想いを込めて贈るようになったとも言われています。素敵な由来ですよね。
でも、この「意味」が逆効果になることもあるんです。
ある女性は、付き合って三か月の彼にネクタイをプレゼントしました。彼女としては純粋に「似合いそうだな」と思って選んだだけでした。でも、彼はその「首ったけ」の意味を知っていたようで、少し戸惑った様子だったそうです。
後日、共通の友人を通じて聞いた話では、彼は「まだ付き合って間もないのに、ちょっと重いのかな」と感じていたとのこと。
彼女は「そんな意味があるなんて知らなかった。ただ似合うと思っただけなのに」と、少し悲しそうに話していました。彼女の純粋な気持ちが、思いもよらない形で受け取られてしまったのです。
これって、本当に切ないですよね。でも、誰も悪くないんです。ただ、お互いの「当たり前」が違っただけ。
もう一つ、よく聞く話があります。
ネクタイって、実は男性が自分で選ぶことが多いアイテムなんです。スーツやシャツに合わせて、自分の好みで色や柄を選ぶ。そこに一種のこだわりを持っている男性は少なくありません。
ある男性はこう話していました。「ネクタイは、自分で選ぶのが楽しいアイテムなんだよね。今日はこのスーツだからこの色、このシャツだからこの柄、みたいに。だから人からもらうと、ちょっと困っちゃうことがある。申し訳ないんだけど」
彼が困った顔をしていたのは、あなたの気持ちが嬉しくなかったからではないんです。「せっかくもらったのに使えなかったら申し訳ない」という、彼なりの誠実さの表れだったのかもしれません。
そう考えると、少し気持ちが軽くなりませんか。
でも、ここで終わりにしたくないんです。
「じゃあ、ネクタイは贈らない方がいいってこと?」
いいえ、そうではありません。大切なのは、「贈り方」なんです。
ある女性の成功例をお話しさせてください。
彼女も最初は、彼氏にネクタイを贈って微妙な反応をされた経験がありました。でも、翌年のプレゼントでは大成功だったそうです。何が違ったのでしょうか。
彼女はこう話していました。「去年の反省を活かして、今年は彼と一緒にネクタイを選びに行ったの。『一緒に選ぼう』って誘ったら、彼も楽しそうで。最終的には私が彼に似合うと思ったものと、彼が欲しかったものを一本ずつ買って、お互いにプレゼントし合ったの」
店内で二人であれこれ悩みながら、「これどう?」「ちょっと派手かな」「いや、似合うと思う」なんて会話を楽しんだそうです。
彼女は続けました。「プレゼントって、物を渡すことだけが大切じゃないんだなって気づいた。一緒に選ぶ時間、二人で悩む時間、そういう体験自体がプレゼントなんだなって」
これは本当に素敵な発想ですよね。
結局、プレゼントの本質は「物」ではなく「気持ち」なんです。そして、その気持ちが伝わるかどうかは、相手のことをどれだけ理解しているかにかかっています。
ネクタイを贈ること自体が悪いわけではありません。相手がネクタイを毎日締める仕事をしていて、おしゃれに気を遣う人で、自分の好みを把握した上で選んだネクタイなら、きっと喜んでもらえるはずです。
大切なのは、「ネクタイを贈る」というゴールから逆算するのではなく、「彼に喜んでもらいたい」というスタートから考えること。
彼はどんな仕事をしている?どんな服装が多い?何に興味がある?最近欲しいと言っていたものは?一緒にいて楽しそうにしている時は、どんな場面?
そういうことを一つひとつ思い出していくと、自然と「あ、これなら喜んでもらえそう」というものが見えてくるはずです。
もし、彼の好みがよくわからないなら、それを知ることから始めてみてください。「最近欲しいものある?」と聞いてみてもいいし、一緒に買い物に行って彼が何に目を留めるか観察してみてもいい。
そういう「彼を知ろうとする姿勢」自体が、すでに愛情表現なんです。
ある男性がこんなことを言っていました。「正直、プレゼントの中身よりも、彼女が俺のことを考えて選んでくれたっていう事実が嬉しいんだよね。だから、たとえ好みじゃないものでも、『あ、俺のこと見ててくれてるんだな』って思えたら、それで十分嬉しい」
この言葉、心に留めておいてほしいんです。
プレゼント選びで失敗したとしても、それはあなたの愛情が否定されたわけではありません。ただ、「伝え方」が少しずれていただけ。
そして、その「ずれ」を修正するチャンスは、いくらでもあります。
次のプレゼントで挽回してもいい。日常の中で「あなたのことを考えているよ」と伝えてもいい。一緒に過ごす時間を大切にすることで、言葉にしなくても気持ちは伝わっていきます。
だから、過去のプレゼント選びで落ち込んでいる方がいたら、どうか自分を責めないでください。
あなたが彼のことを想って、時間をかけて選んで、ドキドキしながら渡した。その気持ちは本物です。その気持ちがあれば、大丈夫。
プレゼントは、愛情を伝える手段の一つに過ぎません。完璧なプレゼントを贈ることよりも、「あなたのことが大好き」という気持ちを伝え続けることの方が、ずっと大切です。
そして、もし次にプレゼントを選ぶ機会があったら、今日お話ししたことを少しだけ思い出してみてください。
彼のライフスタイルは?彼の好みは?彼が今、欲しがっているものは?
その問いに向き合うこと自体が、彼への愛情表現です。
答えがわからなければ、彼に聞いてみてください。「ねえ、今度の誕生日、何が欲しい?」って。
「自分で選びたいから一緒に決めない?」と言われるかもしれません。それはそれで、素敵なデートの約束ができたということ。
プレゼント選びは、相手を知る旅のようなものです。その旅を楽しんでください。失敗しても大丈夫。その経験が、あなたをもっと素敵な贈り物上手にしてくれます。
あなたの愛情は、ちゃんと届いています。たとえ今は伝わりにくくても、続けていれば必ず届きます。だから、自信を持って。
次のプレゼント選びが、あなたにとって楽しい時間になりますように。そして、彼の笑顔が見られますように。
あなたなら、きっと大丈夫です。
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