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クズ男を忘れたい女性へ|沼から抜け出す方法

スマホの画面を何度も確認してしまう。既読がつかないメッセージを眺めて、胸がぎゅっと締めつけられる。「もう連絡しない」と決めたはずなのに、気づけばまた彼のSNSを開いている自分がいる。

そんな自分が情けなくて、悔しくて、でもどうしようもなくて。

もし今あなたがそんな状態にいるなら、まず最初に伝えたいことがあります。あなたは決しておかしくないし、弱くもない。むしろ、それだけ誰かを深く愛せる心を持っているということ。その愛情深さは、本来とても美しいものなのです。

ただ、その愛情を向ける相手が間違っていただけ。それだけのことなのです。

沼にはまるのは、あなたが弱いからじゃない

私のもとには、たくさんの女性から相談が届きます。その中でも特に多いのが「クズ男から抜け出せない」という悩み。三十歳のデザイナーとして活躍する女性は、こんなふうに話してくれました。

「彼はいつも約束を破るんです。週末に会う約束をしても、当日になってドタキャン。理由を聞いても曖昧にはぐらかされて。後から共通の友人経由で、別の女性と会っていたことを知ることもありました」

彼女は続けます。

「それでも別れられなかったんです。だって、たまに本当に優しい顔を見せるから。仕事で落ち込んでいるとき、突然花束を持って現れたり。そういうとき、やっぱりこの人には私しかいないんだって思ってしまって」

この話を聞いて、あなたはどう感じましたか。もしかしたら「私も同じだ」と思ったかもしれません。

実はこの状態には、心理学的な名前がついています。間欠強化と呼ばれる現象です。毎回ではなく、時々だけ与えられる報酬に、人間の脳は驚くほど強く反応してしまう。これはギャンブル依存と同じメカニズムなのです。

つまり、あなたが抜け出せないのは意志が弱いからではありません。脳の仕組みとして、そうなってしまうようにできているのです。だからこそ、気合いや根性だけでは解決できない。具体的な戦略が必要になってきます。

ここで少し、私自身の話をさせてください

恋愛の話とは少しずれるのですが、私には忘れられない経験があります。

学生時代、どうしても辞められなかったものがありました。それは夜中のポテトチップス。ダイエット中なのに、毎晩のように手が伸びてしまう。「明日からやめよう」と何度決意しても、翌日の深夜になると冷蔵庫の前に立っている自分がいるのです。

ある日、友人にこう言われました。「買わなきゃいいじゃん」

目から鱗でした。家にあるから食べてしまう。家になければ、食べようがない。単純なことなのに、なぜ気づかなかったのだろう。

これ、クズ男問題にも通じる話だと思うのです。連絡手段があるから連絡してしまう。SNSを見られるから見てしまう。環境を変えなければ、意志の力だけで自分を律するのは本当に難しい。

では具体的に、どうすればいいのか。実際に沼から這い上がった女性たちの体験をもとに、七つのステップをお伝えしていきます。

一つ目は、物理的な切断を徹底すること

二十八歳の教師の女性は、こう振り返ります。

「最初は『そこまでしなくても』と思ったんです。SNSのブロックとか、電話番号の変更とか、大げさじゃないかって。でも結果的に、それが自分を守ってくれました」

彼女が決断したきっかけは、元彼が職場まで来たことでした。

「授業中に職員室から呼び出されて。行ってみたら彼が立っていたんです。生徒たちの目もある場所で。あのとき、心臓が止まるかと思いました。怖いというより、自分の日常が侵食されていく感覚。これは距離を置くだけじゃダメだ、完全に断ち切らないといけないって、ようやく腹をくくれました」

物理的な距離は、感情を整理するためのスペースを作ってくれます。連絡が来る可能性があるうちは、心のどこかで待ってしまう。その「待っている状態」から解放されることが、回復への第一歩になるのです。

二つ目は、儀式で区切りをつけること

三十二歳の看護師の女性は、親友と一緒に思い出の品を処分することにしました。

「彼からもらったアクセサリーとか、一緒に撮った写真とか、全部段ボールに詰めて。親友の車で河原まで行って、燃やしたんです」

火を見つめながら、彼女は不思議な気持ちになったそうです。

「涙が出るかと思ったけど、意外と冷静で。むしろ、炎を見ているうちに『ああ、終わったんだな』ってストンと腑に落ちる感覚がありました。親友が横で『よく頑張ったね』って言ってくれて。あの言葉で、やっと泣けました」

別に燃やさなくてもいいのです。捨てるでも、誰かに譲るでも、押し入れの奥にしまい込むでも。大切なのは、何か象徴的な行動を通して「ここで区切りをつける」と自分自身に宣言すること。心理的なけじめが、次に進む力をくれます。

三つ目は、感情を言葉にして書き出すこと

三十五歳の経理として働く女性は、ノートを一冊用意しました。そこに、彼にされた嫌なことを具体的に書き出していったのです。

「最初は『ひどいことをされた』くらいしか浮かばなくて。でも日付と一緒に細かく思い出していくと、どんどん出てくるんです」

彼女のノートには、こんなことが書かれていました。

誕生日のメッセージを送ったのに、三日間既読無視された。体調を崩して寝込んでいるとき、彼は隣の部屋でずっとゲームをしていた。昇進が決まって報告したら「俺の方が先に出世するから」と言われた。

「百項目くらい書いたところで、ハッとしたんです。これって愛情じゃない。支配だったんだって。書き出すまで気づけなかった自分が怖くなりました」

感情を言語化することには、絶大な効果があります。もやもやした苦しみに輪郭を与えることで、「なんとなく辛い」から「具体的に何が問題だったのか」が見えてくる。見えてくると、対処できるようになるのです。

四つ目は、新しい習慣で脳を書き換えること

同じことを繰り返し考えていると、脳の中にその思考回路が強化されていきます。彼のことを考えれば考えるほど、彼のことを考えやすくなってしまう。これを断ち切るには、意識的に別の回路を作っていく必要があります。

具体的には、まず行動パターンを変えること。彼とよく行っていたカフェがあるなら、しばらくは別のお店を開拓してみる。週末の過ごし方が彼中心だったなら、新しい趣味を始めてみる。

そして、思考のリダイレクト。「今頃何してるかな」と彼のことが頭に浮かんだ瞬間、すぐに「今日の私は何を楽しもうかな」と自分に問いかける。最初は難しいかもしれません。でも繰り返すうちに、自然とそちらに意識が向くようになっていきます。

運動も効果的です。体を動かすとエンドルフィンという幸福ホルモンが分泌されます。ジムに通う必要はありません。近所を散歩するだけでも、階段を使うようにするだけでも、少しずつ気分が上向いていくのを感じられるはずです。

五つ目は、小さな達成を積み重ねること

二十九歳の販売員の女性は、元彼から繰り返し言われていた言葉がありました。

「お前は何もできない」

その言葉が呪いのように心に染みついて、自分には価値がないと思い込んでいたそうです。

「だから『小さな達成リスト』を作ったんです。一人で映画館に行く。行ったことのない街を散策する。ずっと興味があった資格の勉強を始める。一つ達成するごとに、チェックを入れていきました」

彼女のリストは、一年で五十項目を超えました。その間に十キロの減量に成功し、資格試験にも合格。職場での評価も上がり、念願だった部署への異動も叶いました。

「振り返ると、彼と付き合っていた頃の私は、自分のために何かをするってことを忘れていたんです。全部彼のためだった。今は違います。私は私のために生きていいんだって、ようやく思えるようになりました」

六つ目は、この経験に意味を見いだすこと

辛い経験をした女性たちに共通しているのは、その苦しみを通して大切なことに気づいていることです。

ある女性は「人に頼ることは弱さじゃないと学んだ」と言いました。一人で抱え込んでいた頃は誰にも相談できなかったけれど、友人や家族に打ち明けることで、想像以上に支えてもらえることを知ったのです。

別の女性は「自分の境界線の大切さがわかった」と話しました。相手のために自分を犠牲にすることが愛情だと思っていたけれど、本当の愛情は互いを尊重し合うことだと気づいたのです。

「一人でも充実した人生を築ける自信がついた」という声もありました。誰かといなければ幸せになれないと信じていたけれど、自分自身を満たすことができれば、パートナーがいてもいなくても幸せでいられると知ったのです。

苦しみは苦しみのままで終わる必要はありません。そこから何を学び取るかで、その経験の意味は変わっていきます。

七つ目は、新しい恋愛観を育てること

三十三歳の編集者の女性は、カウンセリングを受ける中で衝撃的な気づきを得ました。

「私、痛みと愛情を混同していたんです」

ドキドキする。不安になる。泣く。怒る。そういう激しい感情の起伏を「恋愛」だと思い込んでいた。だから、穏やかで安定した関係を「物足りない」と感じてしまっていたのです。

「健全な恋愛って、実はそんなにドラマチックじゃないんですよね。安心できて、信頼できて、ときには退屈に感じることすらある。でもそれが本当の愛なんだって、ようやくわかりました」

この気づきは、次の恋愛に進むうえでとても重要です。同じパターンを繰り返さないために、自分がどんな関係を「恋愛」と認識しているのか、一度立ち止まって考えてみてください。

回復の過程で気をつけたいこと

ここまでお話ししてきたステップを実践しても、つまずく瞬間は必ずやってきます。特に注意したいポイントをいくつかお伝えしておきます。

まず、深夜の寂しさ。人は夜になると感情的になりやすく、日中なら抑えられる衝動に負けてしまいがちです。対策として「連絡したくなったときに読む手紙」を自分宛てに書いておくのがおすすめです。冷静なときの自分から、感情的になっているときの自分へのメッセージ。それを読むだけで、ふっと我に返れることがあります。

次に、思い出の美化。時間が経つと、嫌な記憶は薄れて、良い記憶ばかりが残りがちです。「あの頃は楽しかったな」と懐かしくなったら、先ほどの「嫌なことリスト」を見返してください。現実を思い出すことで、甘い幻想を打ち消すことができます。

そして、周囲からのプレッシャー。「いい歳なんだから」「早く次を見つけないと」という声が聞こえてくることもあるでしょう。でも、数合わせのために妥協した関係より、たとえ一人でも自分らしく生きる人生の方が、ずっと価値があります。焦る必要はありません。

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